青春18きっぷ利用規約改定のこと

 私は子供の頃からの旅好き、と言うか放浪癖があり、学生時代などは何日もの間
鉄道、バスを乗り継ぎ全国を彷徨い歩いたものだ。昭和40年代後半から50年代
前半当時は「青春18きっぷ」などと言う結構なシロモノは存在せず、乗車券など
例えば大阪⇒東京⇒青森⇒秋田⇒富山⇒敦賀⇒鳥取⇒姫路などと言った感じに円を
描くように購入し、少しでも旅費を節約したものだ。(但し青春18きっぷとは異
なり優等列車には別途料金で乗車出来た。)
 昭和57年「青春18のびのびきっぷ」として発売され、翌58年春から現在の
名称である「青春18きっぷ」と改称され、国鉄分割民営化の激動にも耐え現在に
至って居る。
 当初は回数券方式の5枚綴であり切離しも自由であったことから数名でのシェア
もよく行われていたが、平成8年春から券片は切離しの出来ない1枚となり、複数
人で同時に使用する場合、全員が同じ行程で移動しなければならないという条件が
付いた。ただ有効期間内であれば連続した日でなくとも任意の日での乗車は可能で
あったのだが、今回令和6年秋に発表された改定では連続した5日または3日のみ
での使用が可能であり、(毎週末利用のような)飛び飛び任意の日での利用は出来
なくなってしまった。
 この改定については多くの18きっぱーから巨大ブーイングの波が起こったが、
JR各社の思惑を察すると、成る程やむを得ずと言う感がしなくもない。その理由
として最初に考えられることは自動改札機の使用可否だろう。現在各社が使用して
いる自動改札機では前述の飛び飛び利用には対応出来ておらず、現行の18きっぷ
利用者は全て(有人の)窓口改札を通過している。
 故に利用期間内においてのターミナル駅では週末ともなれば窓口改札に利用者が
殺到し、駅業務機能に支障が発生していることが最大の理由であろう。
「ならば自動改札機を改良して飛び飛び利用には対応すれば良いではないか?」
おいおい、いとも簡単に言うなよな、その改造には莫大な費用が掛かるのだよ?
その額は18きっぷ売上の何年分に相当するかは知る由もないが、費用対効果を
考慮すると論外であることには違いない。
 各媒体には「JR各社苦渋の決断」との記事もあるが私はそうは思わない。JR
各社とって現状この18きっぷが「お荷物になりつつあるのでは?」などと勝手に
推測したりもするのだが、それにはもう一つの理由がある。
 その理由とは・・・増殖する18きっぱーそのものではないだろうか。正規分布
とは誰もが知る処であろうと思うが全体数が増加すると当然程度の悪い、マナーを
守らない(守れない)輩も増加する。昨今の新幹線の開通は著しく、並行在来線は
いずれも第三セクターとしてJR各社の手を離れ、独自の営業を展開しているが、
これを理解しようとしない、また悪用する乗客も増加して来た。さらに「青春18
きっぷは特急券を購入しても新幹線、在来線優等列車には乗車出来ません。別途に
乗車券が必要です。」と言われ「なぜ乗れない?」と執拗に駅係員に食って掛かる
バカも目の前で多数見た。斯様な輩にとっては他の乗客の迷惑などは眼中にない。
そもそもきっぷ購入時に細かい利用規約を書いた紙片が一緒に発行されるのだが、
それを読もうともしない。そのような影響でまともな18きっぱーも段々と肩身が
狭くなって来てしまっている。ある駅員が「18きっぷの改定は本当に有難いこと
です。」と言ったことがあるとか・・・まさしく本音だろう。
 北海道さん、東さんの「大人の休日パス」、東海さんの「JR東海&16私鉄
乗り鉄☆たびきっぷ」、四国さんの「四国フリーきっぷ、九州さんの「JR九州
フリーきっぷ」等々JR各社の独自性溢れる乗り放題きっぷも増えてきた。

 青春18きっぷは最早その役目を終えつつあるのかも知れない。

(6.11.17記)

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