あっ!?クマや。死んだフリせぇ!!

 吉本新喜劇でお馴染み、故島木譲二氏の定番ギャグでご存じの方も多いかと思う。
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山などで突然クマに遭遇してしまった場合、この「死んだフリ」と言うのは本当に有効
なのだろうか?
 星の数ほどもあるクマとの遭遇事件。聞く処に拠るとその習性として動かない生物に
対して興味を抱き、確認と好奇心のため近寄ってくることが多く、眼の前に寄って来た
クマに観察されている間、少しでも動けば間違いなく襲われると聞く。やはり「死んだ
フリ」は良くないらしい。
 これは数年前、知り合いのカメラマンN氏から聞いた話である。真夏の北海道での
とある高原でモデル女性相手に1対1で撮影中のこと。30メートルほど先の雑木林
が騒がしいことに気が付いたが、N氏は「なんだか風の影響かな?枝の音がガサガサ
とうるさいな。」などと安易に考え、それはもう無我夢中で撮影を続けていた。
 暫く続いた撮影のさなか、そのガサガサ音の正体が判明することとなった。それは
巨大なヒグマだったのだ。その時の位置関係はこんな感じ(だったと聞く)。

 「その時は相方(モデルさん)の存在も脳内から消し飛び(背を向けて)逃げよう
としか考えられなかったのだけど、金縛りにあったように全く身体が動かなかった。
なるほど俗に言う『腰が抜ける』とはこんな状態だったのか。」との回想。(背を向
けず、と言うか向けられず)クマの眼をじっと睨んだ状態だったらしい。それが結果
オーライとなったかは神のみぞ知る処だが暫く睨み合いの後、満腹だったのか、それ
とも二人の人間には興味がなかったのか、クマはくるりと背を向けて雑木林の中へと
消えて行った。
 我に返ると全裸のモデルさんはその場にへたり込んで大泣き。無論撮影は中止され
這々の体で飛行機に飛び乗り帰宅した(らしい)。「雑木林から20メートル以上も
離れていたので助かったかな?もう少し近かったらハチ合わせになっていて完全に襲
われていた。」とのこと。
 夏の北海道、その大自然は素晴らしくも魅力あるロケーションと成り得る。しかし
斯様な危険も普通に存在している。私も「一度は夏の北海道で大自然をステージに」
との思いも大いにあったのだが、やはりこんな話を聞いてしまってからは腰が引けて
しまう。(冬場雪撮は結構ヤッたけどね)
 う~ん、どうしよう。ならば東北かな。うん?ヒグマは居ないけどツキノワグマは
ウヨウヨしているなぁ・・・

(6.2.3記)

 
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