神戸市電のこと

 かなり以前から、廃止になった神戸市電の車両を広島電鉄が大切に保存し、
しかも現役で稼働させていることは聞いていた。
 かつて東洋一と謳われた神戸市電も時代の要求に応えられず、昭和47年に
全面廃止となってから早や40数年が過ぎようとしているが、その緑の車体は
我が若き日の思い出と共に、未だ度々我が夢の中に登場して来る。
 ただ流石の広島電鉄も唯一の生残りである昭和2年生まれの582号を何時
まで稼働させてくれるのかは判らない。
 
 私の足は広島へ向かっていた・・・JR広島駅から広電さんご自慢のグリーン
ムーバに乗せていただき、広島電鉄本社前に到着はしたのだが、肝心の車庫内が
全く見えない。しかも入口付近でウロウロしていると不審者として通報されかね
ない。え~い!此処は一番、ダメ元で事務所へ突撃することにした。
 「遥々神戸から懐かしい顔を見に来ました。無理は承知です、見学を許可して
いただけませんか?」元々気の弱い?私なのだが、入口付近に居られた年配の
係の方から笑顔で「はい、いいですよ。遠路ご苦労様です。」との返答。なんと
拍子抜けなことで、これなら前で30分近くもウロウロするんじゃなかったなぁ
(苦笑)

 詰所で住所氏名を記入し、若い係の方に案内していただいた車庫の最奥には
その姿を見紛う筈もなき582号・・・なんと昔の女に逢ったような不思議な
感覚だった。塗装も真新しく、ピカピカに磨かれている。とても百歳近いとは
思えないほど大切に手入れされている。
 傍らを見れば京都、大阪市電の車両も数両見える。それぞれに「神戸市電」
「京都市電」「大阪市電」の銘番が取り付けられているのだ。係の方の説明では
「実際に582号が走るのは平日の朝夕のみになってしまいました。」との事。
 本当に丁寧なメンテ、大事にされてるなぁ・・・と、プラス懐かしさに涙?
していると、若い係の方が「感慨深げですね、これからも大切に運行しますよ」
との一言で、危うく涙線の堤防が決壊する処だった。
 次回は是非平日に訪れ、乗車してみたい。広島電鉄さん、本当に有難う。

 我が侘び住まいのすぐ南側の道路に市電が走っていた。今はその下を市営地下鉄
海岸線が膨大な赤字を撒き散らかしつつ運行している。
 「なんで市電を残さんかったんや!?広島、富山、函館、長崎、熊本、鹿児島
高知・・・成功例はナンボでもあるやないか!今の地下鉄には何の感慨もナイわい。
神戸市交通局のあほ~~!!!(;_;)」

路面電車大好き。宇都宮ライトレール、うっ羨ましいいぃぃぃっ!!

(5.10.18記)

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