我が作品造りの本線は女性。それも野外撮影であるとは以前にも書いたと思うが
美しい、また不気味な情景の中に佇む美女と言うのは永遠に続く課題と考えている。
私は人一倍の面倒臭さがりやで怠け者だとは自他共に認める処であり、故に以前
その撮影は春から秋に限り、寒い冬場は撮影を一切せずの冬眠状態であったのだが
それは昔のこと。10年ほど前に知人のエロカメラマンY氏主催の撮影会の内容を
知り、その壮絶なる内容に絶句。さらにその出来栄えの美しさ、神秘さと荘厳さに
魂を奪われ、まさに初めてデルヴォーの作品に出会ったときのような衝撃を受けた
ことは鮮明に記憶している。
それからと言うもの、寝ても覚めても「自分でも雪中撮影がしてみたい!」との
意識が雨後の筍のように成長し、現在に至るのだ。
雪の深々と降る氷点下での過激ロケ撮である。「こんな無茶、誰に頼もうか?」
一番最初の撮影はモデル選びと言うか、お願いに可成り苦労したことも思い出す。
馴染みのモデルさんでも「えぇ~~っ!?氷点下で雪中撮影?何を考えているん
ですか!?絶対にイヤです、コロす気ですか?」との罵声?を浴びせられたことは
一度や二度ではない。ソレにも負けず「暖房をガンガン効かせたクルマを横付けし
実際の撮影は長くても1~2分、オマケにアフターは雪の露天風呂と山海の珍味が
待ってるよ。」との言葉巧みに引っ張り出しての撮影だった。
なんの知識も技術もなく、手探りで始めたこの雪撮も回数を重ねるに連れ、最近
では結構慣れて立派な道が付いて来た。さらには気軽に応じてくださり「寒かった
けどこんなにカッコ良く撮ってくださって有難うごさいます。次回も是非行きたい
です。」とまで言ってくださるモデルさんも増え、まさにカメラマン冥利に尽きる
のだ。
今となっては何かに取り憑かれた如く、この令和5~6年の末年始は秋田、青森、
北海道となんと週末3連チャンでオマケにシーズン通算6回の雪撮。普段から結構
行動を共にしている仲間のカメラマンからも「お前、間違いなくビョーキやろ?」
などと言う有難い?お言葉を賜ったりもする。
(6.1.24 記)
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